上米子の湧水「井戸端」(須坂市上米子)

須坂市亀倉から米子不動尊方面へ続く道から、上米子で少し住宅地の中へ入った所にあり、昔から地域の生活用水として利用されてきました。
湧水の脇には「白髭さん」が祀られています。全国各地に「白髭神社」がありますが、「猿田彦命(さるたひこのみこと)」を御祭神としています。「猿田彦命」は延命長寿の守護神であるとともに、農耕神でもあります。白髭神社の総本山は、滋賀県の琵琶湖西岸にある「白髭神社」で、全国で同名の神社が260余社あるのだそうです。特に静岡県(64社)、岐阜県(64社)、埼玉県(27社)に多く、この内静岡県では安部川流域だけで41社があるといいます。これら3県に共通するのは、いずれも古来から水害の常襲地域であるということです。
水に関係した場所に水神が祀られることがありますが、農耕神と水神とは密接な関係にあります。日本神話では「美都波能売神(みつはのめのかみ)」がこれに当たり、「古事記」では「弥都波能売神」と表記されています。日本における代表的な水の神で、神生みの終わりに生まれた火を沈める水神にして豊穣をもたらす農耕神でもあります。仏教では「弁財天」やその同一神とされる「宇賀神」が祀られますが、蛇はこれらの神使として信仰されています。
  ところで、岩手県盛岡市には「白髭水(しらひげみず)」という言い伝えがあります。「昔、盛岡の中津川のほとりに木こりが住んでいました。ある時川の奥へ木を切りに行くと、白い頭、白い髭の老人に出会いました。「お腹がすいた」と言うので、持っていた弁当を差し出すとペロリと食べてしまいました。翌日もその老人が現れ、今度は挨拶もなしに木こりの弁当を食べてしまいました。この老人のことを聞いた木こりの妻は、河原で拾った石を熱して、瓢箪にはお酒の代わりに油を入れて木こりに持たせました。するとまたあの老人が現れ、それを食べてびっくり。口から火を噴いたその老人が「雨よ降れ」と念じると、たちまち大雨が降りだし、雨は七日七晩降り続き、とうとう中津川が氾濫してしまいました」というもの。それからは盛岡では中津川が氾濫すると、「白髭水が出た」と言うようになりました。
 一方長野県では、延宝8年(1,680年)に「白髭の水」と呼ばれる信濃川の大洪水が起きましたが、その前日白髭の老人が川上から現れ、「大水出づ、用意せよ」と叫びながら走り去ったという伝説があるといいます。須坂市米子地区もその昔米子川の大水に悩まされたことから、白髭信仰に繋がったとの説があります。

水質評価

カルシウムイオン 6.8
マグネシウムイオン 3.0
ナトリウムイオン 4.0
カリウムイオン 1.0
炭酸水素イオン 18.9
塩化物イオン 2.5
硫酸イオン 9.3
炭酸イオン
溶性ケイ酸
硝酸性窒素
亜硝酸性窒素
有機物
蒸発残留物
硬度 29
臭気強度
マンガン
電気伝導率
pH
色度
濁度

単位 mg/l


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備考

白髭神を祀る上米子の湧水で、昔から住民に生活用水として利用されてきた貴重な水である。水量は豊富で水質は良質である。



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