水のはなし

ミネラルウォーターの話

 読者の皆さんは「ミネラルウォーターって何ですか?」と聞かれたら、何とこたえますか?「・・・ミネラルの沢山入った水・・・」などと答えてはいませんか?

 実は、平成2年に農林水産省が出した「ミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の品質表示ガイドライン」では、我が国のいわゆるミネラルウォーターについて「ナチュラルウォーター」、「ナチュラルミネラルウォーター」、「ミネラルウォーター」及び「ボトルドウォーター又は飲料水」の4種類に分類しています。
それぞれ、
  ①特定水源より採水された地下水を沈殿、ろ過及び加熱殺菌したものが「ナチュラルウォーター」。
  ②特定水源より採水された地下水のうち、地下で滞留又は移動中に無機塩類が溶解したもの(鉱水、鉱泉水等)を、ろ過、
    沈殿又は過熱殺菌したものが「ナチュラルミネラルウォーター」。
  ③前述のナチュラルミネラルウォーター製造時に更に物理的・化学的処理(複数の原水の混合、ミネラル分の調整、オゾン
    殺菌、紫外線殺菌、曝気等)を加えたものが「ミネラルウォーター」。
  ④飲用適の水(純水、蒸留水、河川の表流水、水道水)が「ボトルドウォーター又は飲料水」になります。

 つまり、ミネラルウォーターかどうかを論ずる時に、ミネラル分の量の多少はあまり関係無いことになります。因みに「六甲のおいしい水」や「南アルプスの自然水」はいずれも「ナチュラルミネラルウォーター」の表示がされています。
 また、「食品衛生法」では、「水のみを原料とする清涼飲料水」を「ミネラルウォーター類」としており、製造のため使用する原水には硬度の制限が設けられていません。
 乱暴な言い方になるかもしれませんが、日本の水道水は塩素臭ささえしなければ、いわゆるミネラルウォーターとそう変わりは無いということになります。