水のはなし

湧水を安全に使用するために

 近年、おいしい水に対する消費者の志向の高まりを反映して、過去から使用され続けている名水は無論のこと、山間部の道路際に湧出している水を、いつの間にか飲むようになっているものが多く見られる。始めは、たまたまその地を訪れた人々が水を汲んで持ち帰っていたものが、いつの間にか茶碗や柄杓が置かれ、更には口コミやインターネットを通じてその水の美味しさが伝わってしまうと、より大勢の人が訪れるようになる。これらの一見湧水に見える清水は、その起源が不明瞭であり、使用経験も浅く、安全性が確認されている訳ではない。
 前述のように湧水には様々な危険性が危惧されることから、湧水の飲用にあたっては以下の点に留意することが必要である。
 なお、大勢の人が利用する湧水の管理者等は、定期的に水質検査をすることが望ましい。 

   ・生水は飲まない。
   ・付近にかつて鉱山があった場所の湧水は重金属が入っている可能性が高いので注意する。
   ・付近に温泉がある場所の湧水はヒ素やフッ素の濃度が高いことがあるので注意する。
   ・飲用経験の浅い場所の湧水は飲まない。
   ・上流部に家畜飼育施設があったり、農地がある場所の湧水は飲まない。
   ・上流部に産業廃棄物の不法投棄があった場所の湧水は飲まない。
   ・湧水付近の山野にむやみに立ち入らない。